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#511 仙人のように、セクシー

あなたのスルーが好き。
あなたに、イラッとさせる人が近づいた。
私が、イラッとした。
ハラハラした。
あなたは、涼しい顔をしていた。
あなたが、イラッとしているところを見たことがない。
きっと、イラッとするようなことがあるに違いない。
イラッとしないのではないくて、イラッとしたところを見せない。
そして、イラッとしたことを、すぐに忘れる。
あなたの周りには、大勢の人が集まる。
中には、イラッとさせる人も来る。
そばにいる私のほうが、ヒヤヒヤする。
それでも、あなたは、イラッとしない。
さりげなく、スルーする。
あなたのスルーが、セクシー。
イラッとさせる相手は、スルーされたことすら気づかない。
スルーされたことに気づくと、相手は、ますます食ってかかってくるからだ。
あなたは、仕返しをしない。
そんなことに、無駄なエネルギーを使わない。
あなたは、淡々と生きている。
自分の美学のこだわりの中で生きている。
だから、それ以外のことは、なんでもスルーできる。
こだわっているから、それ以外のことに、こだわらない。
あなたは、「はい、分かりました」と言っている。
声には出ない声で、つぶやいている。
あなたに「はい、分かりました」と言われたら、スルーされたということだ。
こんなにたくさんのことに気づくあなたは、きっと、イラッとすることだらけに違いない。
なのに、イラッとしない。
むしろ、あまりにもイラッとすることが多いので、スルーの技を身に着けたのだ。
あなたは、仙人。
俗世と、関わりを持たない。
仙人のあなたが、セクシー。



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