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#523 髪の立ち方に、品がある

あなたの髪が立っているのが、好き。
あなたとダ・ビンチの絵を見た。
筆の跡が、残らない。
どれだけ、近くに寄って見ても、筆の跡がない。
あれっ。
1か所だけ、筆の跡があった。
不思議。
こんなに完璧なダ・ビンチが、1か所だけ、はっきり筆の跡を残している。
未完成なのか。
修正し続けているダ・ビンチは、「モナリザ」もまだ未完成。
まさか、贋作(がんさく)。
贋作ほど、贋作に見られないために、筆の跡を残さないと、あなたが前に教えてくれた。
贋作と区別するために、ダビンチがわざと、残したのかな。
1か所の筆の跡が、なんだか私には、かわいらしく思えてきた。
あなたをふと、見た。
あなたの後頭部の髪が、少しだけ、立っていた。
カワイイ。
完璧なあなたの髪が、立っているなんて。
まるで、ゲゲゲの鬼太郎のように、あなたの髪が立っている。
あなたの心のアンテナになって、絵の精霊とやり取りをしているみたい。
「完璧すぎるのは、品がない」
と、あなたの師匠はあなたに教えたという話を、思い出した。
ダ・ビンチの筆の跡と、あなたの立っている髪の毛と、どちらも品格を与えている。
あなたが、贋作ではない証拠。
もし、贋作のあなたを作り上げたとしたら、私は見抜く自信がある。
だらしなくて、髪の毛が立っていたら、それはただの、だらしない人。
これだけ完璧なのに、髪の毛が立っているのは、品格がある。
私は、ちょっとうれしかった。
あなたの後頭部の髪が立っているのは、さっきまで一緒に、お昼寝をしていたからね。



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