#524 2つ目を聞かないで、決める
あなたの選ぶ速さが、好き。
あなたと、レストラン。
スカーレット・ヨハンソン似のウエートレスさんが、メニューを出さずに、口頭で説明する。
初めてのお店。
あなたは、速い。
選ぶのが、速い。
迷いが、ない。
もはや、選んでいない。
メニューが2つあるときも、2つ目を聞かない。
最初のほうを、選ぶ。
ちょっとスカーレットさんが困ってないかなと、見た。
むしろ、うれしそうだった。
あなたは、2つから選ぶことをしない。
1つ目がありかなしかで、選んでいる。
あなたは、比較をしない。
比較は、しょせん、消去法になる。
デザートが、2種類あるときは、両方。
分け合うから。
相談なんて、しない。
向こうのカップルが、デザートでさっきから迷っている。
女の子が、選んだ。
男性が、最低な返事をした。
「いいね、じゃあ僕も、同じのを」
こういう男性と、おしゃれなレストランに来てしまった自分を反省すべき。
これも、勉強。
私は、自分が速いと思っていた。
あなたに出会って、いかに自分が遅いかに気づいた。
反対側のテーブルの男性が、スカーレットに聞いていた。
「お薦めは?」
好きなものを、人に聞いているようでは、好きなものに出合えない。
好きなものくらい、自分で選ぼう。
スカーレットが、私を振り返って「あなたは、よかったわね」というウインクをした。