#529 あなたという器で、飲ませて
あなたと飲むお水が、好き。
あなたと一緒にいると、喉が渇く。
代謝が良くなるのか。
相変わらず、緊張しているのか。
あなたと一緒にいるときに飲む、お水がおいしい。
あなたと一緒にいるときに飲んだミネラルウオーターが、好きになった。
1人でレストランに入ったときに、そのミネラルウオーターを、オーダーした。
味が違う。
あなたと飲んだときのほうが、おいしかった。
また、あなたと一緒の時、別のミネラルウオーターを飲んだ。
おいしい。
分かった。
水が、おいしいんじゃない。
あなたと一緒にいるから、おいしい。
食事も、同じだった。
あなたと一緒に行って、おいしかったお店に行った。
おいしくないわけではないけれど、あなたと一緒に行ったときのほうが、おいしかった。
気づいた。
あなたは、器だ。
あなたという器で飲むと、お水がおいしくなる。
たとえ水道のお水でも、あなたという器はおいしくしてしまう。
味は、料理で決まるのではない。
味は、器で決まるのだ。
当のあなたは、いつもおいしそうに、お水を飲んでいる。
あなたに飲まれるお水が、羨ましい。
あなたという器に気づいた私を、自分で褒めてあげたい。
空が、奇麗。
あなたといると、なんでもない空が奇麗になる。
あなたという器で見る景色も、美しい。