#574 新しい美人を、生み出す
あなたの生み出す美人が、好き。
ふと、目を覚ます。
私の背中に、あなたの気配がある。
安心。
幸せに、眠りに就く。
また1つ夢を見て、目を覚ます。
あなたの気配がある。
安心。
あら。
別のところにも、あなたの気配がある。
あなたは、デスクに向かっていた。
私の背中にあったあなたの気配は、あなたが私を起こさないように残していってくれた気配だった。
だから、私は、安心して眠っていた。
デスクのあなたは、絵を描いていた。
寝る前も、絵を描いていた。
仕上がっていたはずなのに。
あなたの描いた絵を、一番先に見せてもらうのが、私の幸せ。
いい絵だった。
あなたは、次の絵を描いている。
書き直したくなったのかな。
完成しているのに、描き直す職人さんのところが好き。
私は、ベッドの中であなたの気配に背中を抱き締めてもらいながら、想像した。
あなたが、また新しい美人の絵を完成させているところを。
あなたは、次々と、美人を生み出す。
それでなくても、次々と寄ってきて、忙しいのに。
どんな美人をあなたは、生み出しているか。
あなたの気配に抱きしめられながら、私の夢の中に戻った。
明日の朝、あなたの美人に出会う幸せを思い描きながら。