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#584 お庭に、選ばれて

あなたの寄り道が、好き。
あなたと、神社、お寺巡りをした。
見たい仏様があった。
いきなり、そこに向かわないのが、あなたの素敵なところ。
私は、そこにいきなり直行してしまう。
あなたは途中を楽しむ。
あなたは真っすぐ歩かない。
途中で、面白いものを見つけると、すっと入っていく。
迷いがない。
まるで、動物的。
まるで、本能的。
そして、面白いものを見つける。
直行していたら、気づかなかった。
ここは、何度も通っている道のはずなのに、気づいていなかった。
私だけじゃなくて、観光客もいない。
貸し切り状態。
こんなところに、こんなお庭があったなんて。
知ってたの?
あなたは、笑っている。
もちろん、あなたは動物的本能で、見つけた。
調べて出合ったわけではない。
このお庭を作った人は、気づく人にだけ気づいてほしいと思って、見えないように作庭していた。
お庭は、あなたが来るのを待っていた。
お庭が、あなたを選んだ。
お庭にいる間、誰も来なかった。
お庭を出たとき、振り返った。
さっきまであったお庭の入り口が、見えなくなった。
来てほしい人だけを選ぶトリック。
見たかった仏様のお寺にたどり着いた。
門のところに、ついたてがあった。
5分前に、閉門していた。
寄り道しちゃったから。
あなたを見ると、門の外から、合掌していた。
「また、来ます」というあなたのテレパシーが、聞こえた。
あなたとまた来られるように、仏様が私に、ご褒美をくれたんですね。
私も合掌して、仏様の粋な計らいに感謝した。



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