#616 左手の、快感
あなたの左手が好き。
あなたに会ってから、鼻歌が増えた。
友達に、「最近、鼻歌歌ってるよね」と言われた。
それまで鼻歌を歌っていなかったことに、気づいた。
歌は嫌いじゃない。
ちゃんと歌うか歌わないかしかなかった。
あなたには、歌うと歌わないとの間があった。
あなたと一緒にいると、鼻歌を歌う。
「なんの曲?」
と、あなたは聞かない。
私は聞いてしまっていた。
あなたは、一緒に歌ってくれる。
しかも、ユニゾンではない。
ハモってくれる。
これが心地いい。
私も、まねしたい。
意外に、これが難しい。
なぜ難しいか分かった。
あなたが鼻歌を歌っていると、入りやすい。
私はボーカルラインを歌っていても、ハモっている。
あなたは、左手を歌っている。
私は、右手のボーカルラインを歌っている。
小学校時代、コーラスのところで、「こっそり、女子のパートを歌ってた」と、あなたは笑っていた。
「だって、女子のパートのほうが奇麗だから」
ピアノの音色は、左手で決まる。
右手でどんなに超絶技巧をしても、左手のアレンジにはかなわない。
あなたは、ピアニストの左手。
コンサートは、左手を聞きに行っている。
あなたは歌うたびに違う。
左手が変幻自在なハーモニーを生み出すように。
あなたの左手の音楽。
左手の快感。





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