#618 気がついたら、こんな時間に
あなたと眠る前のお話タイムが好き。
あなたと一緒にベッドで眠るのが好き。
あなたと一緒にベッドで愛し合うのが好き。
あなたと一緒にベッドでお話しするのが好き。
どれも同じくらい好き。
あなたは夜明け前から起きている。
何かアイデアを思いついて、目が覚める。
そこから、書いて読んで、書いて話して、書いて。
どこかで仮眠の予定だったに違いない。
結局、急に入ってきた頼まれごとを助けているうちに、夜になった。
食事をゆっくり取る時間も、あなたには無縁。
だけど、あたふたしている気配が一つもない。
あなたは、ゆったりとした時間の中にいる。
ゆったりとした時間の中で、猛スピードで走り回っている。
これが、本当の意味でのスローライフ。
スローライフは、ゆったりすることではない。
ゆったりと見えること。
あなたが、それを教えてくれた。
夜明け前から、気がつくと、ベッドに入る時間になった。
そんな時間を、少しでもあなたと共有できる幸せ。
あなたが、深い呼吸をした。
深呼吸ではなく、深い呼吸だった。
深海から上がって、水面に出てきたときにするような深い呼吸だった。
10時間の難しい手術を終えた脳外科医のような深い呼吸だった。
あなたは静かな声で、お話をしてくれる。
あなたは、この時間を楽しみにしてくれていた。
私と同じように。
私の勝手な妄想だけど。
そんなふうに、感じさせてくれるあなたが好き。
一日の終わりのお話タイム。
眠りに落ちていくまでの、境目のあやふやな時間。
あなたの中では、もう明日が始まっている。
明日することで、ワクワクしている。
あなたも、私も。