#192 お肉を食べながら、あなたを思い出す
あなたを思い出しながら、お肉を食べるのが好き。
急に、お肉が食べたくなった。
今日は、ステーキの気分。
すき焼きでも、焼き肉でもなく、ステーキ。
横幅よりも、高さがあるような分厚いステーキが、食べたくなった。
原始時代に戻った気分。
レアよりも、焦げるくらいのウェルダンが好き。
焼きましたという感じが、いい。
「結構、ボリュームありますが、大丈夫ですか」
と、ミニスカートの美人のウエートレスさんが心配してくれる。
大丈夫。
塊が、どん。
肉の焼ける匂いがする。
手の甲に油が飛んだ熱ささえ、心地いい。
切れてないのが、いい。
ナイフで、豪快に切る。
肉が、ナイフを押し返してくる。
口に入れるというより、ほおばる。
かみついたみたい。
柔らかすぎないのもいい。
「おいしい」というより、豪快に笑っている私がいる。
隣のカップルが、そんな私の食べっぷりを見ている。
大食い選手権に出ている気分。
「意外に、スレンダーな人が、ガッツリいくんですね」
美人ウエートレスさんのミニスカートからキレイに伸びた太モモが見えた。
ほおばりながら、あなたを思い出している。
あなたの太さを、思い出している。
飲み込むのを、しばらくガマンして、味わった。