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#195 体の中まで、添削して

あなたに、添削してもらうのが、好き。
子供の時から、添削が好きだった。
添削してもらうのが、好きだった。
正解より、間違いを、真っ赤に直してもらうのが、好きだった。
正解の「〇」なんてもらっても、それほどうれしくない。
それよりも、どこがどう違っているかを、真っ赤なインクで、直してもらうのが好きだった。
自分の問題集用のノートも、自分で答えて、自分で真っ赤に書きこんでいた。
真っ赤になると、興奮した。
あれは、1人エッチのようなものだったに違いない。
今は、あなたが、添削をしてくれる。
あなたに、姿勢を直してもらう。
あなたに、勉強を、教えてもらう。
「こういう時は、こういう風にするよ」って、添削してもらう。
「完璧」ってほめてもらうより、できないところを、ずばずば指摘してもらうのが、うれしい。
あなたは、私の最高の赤ペン先生。
私の体も、添削してもらう。
私の体中が、あなたの添削で、真っ赤になる。
耳なし芳一が、体中にお経を書かれたみたい。
添削がない所が残らないくらい、全身に、赤ペンを入れてほしい。
あなたの端正な字で、添削してほしい。
添削する先生の大人の字が、好きだった。
あなたの字が好きなのは、添削の先生の大人の字だから。
体の表面だけでなく、体の中まで、添削してほしい。
平家の落ち武者の幽霊に、体の中を持っていかれないように。
あなたのインクが、私の体の中にまで、書きこまれていく。



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