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#201 ヒギンズ先生に、拾われて

 あなたに、育てられるのが好き。
 あなたに出会って、映画を思い出した。
『マイ・フェア・レディ』
 初めて見たのは、小学生の時。
 小学生の私には、ただ素敵な映画だった。
 ワクワクするだけでなく、ドキドキした。
 まわりの友達は、アニメやアイドル映画に騒いでいたけど、私は、『マイ・フェア・レディ』に憧れた。
 オードリーも素敵だけど、私が憧れたのは、ヒギンズ先生。
 オードリーよりも、ヒギンズ先生ばかり見ていた。
 何度も、見直した。
 あなたに初めて会った時、ヒギンズ先生だと思った。
 ずっと、私は、ヒギンズ先生を探していた。
 同世代に、いるわけがなかった。
 私は、イライザだった。
 ヒギンズ先生に出会うのを待っているイライザだった。
 気づいた。
 私は、ヒギンズ先生に出会ったのではなかった。
 ヒギンズ先生に、「拾われた」のだった。
「出会った」ではなく、「拾われた」という響きが好き。
「拾われる」って、最高の幸せ。
 愛されるのではなく、レディに育てられる。
 育てられることが、最高の愛情表現。
 ベッドに行くまでの最高の前戯。
 私、あなたに拾ってもらいました。
 田舎娘を、調教してください。



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