#207 私のジグソーパズルを、はめて
あなたに、ピースをはめてもらうのが、好き。
少女の頃から、ジグソーパズルが好きだった。
ピッタリはまると、ゾクゾクした。
なんだろう、この感覚。
その頃は、まだよくわからなかった。
体の奥のほうが、キュンとなった。
ムリをしても、入らない。
入れるのではない。
はまるという感覚。
はまる時には、吸い込まれるように、はまる。
なんで今まで、気づかずに、どこにあったんだろう。
これは、私だと感じた。
私の体は、ジグソーパズルでできている。
あなたは、私のバラバラになった体のピースを、ひとつ、ひとつ、はめていってくれる。
全身が、細かいピースに分かれている。
1つ1つのピースが、感じる。
ピースがはまるたびに、キュンとなる。
きっと、何万枚のピースに、分かれている。
あなたは、焦らない。
ゆっくり、ゆっくり、時間をかけて、ピースをはめていってくれる。
味わってくれる。
そこが、好き。
一生かけて、完成させていってね。
私は、ちょっと、イタズラをした。
1枚のピースを、来世に投げ込んだ。
そうしたら、来世も、あなたに、はめてもらえるから。