#213 あなたの、唾液を

 あなたの唾液が好き。
 あなたといると、ノドが渇く。
 あなたといると、私の太股の上が、濡れていた。
 飲み物でも、こぼしたかな。
 太股の裏が濡れているなら、理由がわかる。
 太股の上が、濡れていた。
 しかも、水滴という少量ではなかった。
 けっこう、たっぷり濡れていた。
 その時、私の口角から、何かが落ちた。
 思わず、吸い込もうとしたけど、手遅れだった。
 まさか。
 私のよだれだった。
 自分では、気づかなかった。
 あなたといる時、赤ちゃんみたいに、よだれを垂れている。
 それにしても。
 よだれって、こんなにたくさん出るものなのかしら。
 恥ずかしいと同時に、面白くなってしまった。
 男の人が、女性によだれを垂らす場面は、マンガに出てくる。
 女の子が、スイーツによだれを垂らすのも、わかる。
 女の子の私が、あなたによだれを垂らしている。
 今日初めてでしょ。
 あなたは、微笑んでいる。
 前からずっとだって、あなたの微笑みが答えていた。
 あなたと一緒にいると、ノドが渇くのは、当たり前ね。
 それでなくても。
 私は、脱水症状に、なってしまっている。
 水分を、補充しなくちゃ。
 その時、あなたの唇が、私の唇に、重なった。
 あなたの唾液が、私の水分補給に、注がれた。



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