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#226 正装の朝食の後のごろん

 あなたと、朝食を食べるのが好き。
 ホテルの朝食。
 あなたは、朝食の時から、スーツ。
 まるで、これからプレゼンがあるかのようにピシッとした格好に着替える。
 ダブルのベスト。
 ネクタイに、ネクタイピン。
 襟には、カラーバー。
 そして、ジャケットに、チーフはTVホルダー。
 ホテルマンに、見えてしまう。
 ホテルマン以上。
 ファイブスターホテルの総支配人か、オーナーに見える。
 まわりのカップルの男の子は、みんなジャージ、ジーパン。
 シャツをだらりと外に出している。
 ほら、やっぱり、あなたはホテルマンに間違えられた。
 あなたは、否定しないで、フレンチトーストを取ってあげている。
 まわりのカップルの男の子は、目が開いてない。
 眠そうなしょぼしょぼした目をしている。
 あなたは、目薬をまるごと一瓶差したくらい、キラキラした目をしている。
 女の子が、うらやましそうに、あなたを見ている。
 どんな三つ星の豪華なディナーよりも、あなたと食べる朝食が、贅沢。
 出かけるまで、時間が空いた。
 お部屋に、戻る。
 歯を磨き終わると、あなたは、ベッドの中で待っていてくれる。
 さっき、せっかくあんなにピシッと正装したのに、もう裸になって、私を受け入れてくれる。
 逆ね。
 この後、ベッドで、ごろんとするのがわかっているのに、朝食の時は、わざわざ正装してくれたのね。
 そんなあなたと、朝食の後、ごろんとなるのが、最高の贅沢。



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