#227 枕まで、あなたに惚れる
あなたの、優しさが好き。
ふだんも優しいけど、ベッドの中では、もっと優しくなるところが好き。
女の子の気持ちがわかる。
男性の優しさは、女の子の気持ちがわかるということなのね。
私を、上から抱き締めてくれる。
決して、体重をかけることはない。
密着しているのに、重さを感じない。
枕が斜めになったら、そっと直してくれる。
私は、自分が感じるのが精いっぱいなのに。
えっ。
あなたの手が、私の頭の下にそっと入れられた。
あなたの優しい手が、私の髪を、枕の上のほうに、流してくれた。
どうしてわかったの。
今、私が、自分でしようとしていたことなのに。
枕の肩側に髪を下ろしていると、体の下になって、髪が引っ張られる形になる。
女の子ならわかるけど、男性のあなたが、そんな微妙な感覚を、どうしてわかるのかしら。
そんなところに、やられてしまう。
女の子が、ベッドの中で、男性に求めるのは、強さやたくましさではない。
女の子の心を、気づかってくれる優しさ。
今、髪を頭の上に流さないと、痛いだろうなということを、わかってくれる優しさ。
あなたの中にいる女の子が、さっと感じとってくれる。
だから、安心して、身をゆだねることができる。
2人で1つの枕で、眠る。
あなたが、枕を私のほうに、引っ張って直してくれた。
私のほうの枕が、足りなくなっていることが、どうしてわかったのかしら。
そういうことを、黙ってするんだから。
枕まで、あなたに参ってしまった。