#228 黄色い花の作用で
あなたの夢を見るのが、好き。
夢の中の、あなたも好き。
あなたが、キレイな女の人たちに、取り囲まれていた。
女の子たちは、きっちりとしたスーツを着ていた。
夢の中でも、あなたはモテモテ。
普通の男の子にしてみれば、それこそ夢なんだけど、あなたにとっては、現実と同じ。
そこは、ベッドの上。
そんな状況でも、私は焼きもちの感情が、湧かない。
むしろ、ドキドキする。
女の子に取り囲まれているあなたを見たい。
あなたにうっとりしている、女の子を、見たい。
1人のかわいい子が、黄色い花を持っていた。
その黄色い花の香りをかぐと、エッチな気分になるらしいと、その子は言った。
女の子たちは、キャーキャー騒ぎながら、その黄色い花の香りをかいだ。
女の子たちの目が、とろんとなった。
あなたの体を触りはじめた。
自分の体も、触っている。
「この黄色い花の作用って、本当ね」と、1人の女の子が言った。
みんなが、うなずいた。
「ガマンできなくなっちゃった」
「だって、この黄色い花のせいよ」
女の子たちが、自分の着ているスーツのボタンを、自分で外しはじめた。
他の女の子のシャツのボタンも、外してあげている。
それでも、全部、脱がないのが、セクシー。
脱ぐのが間に合わないのか、わざとそうしているのか、両方の理由か。
あなたは、すべての女の子に、優しかった。
女の子たちの吐息が、混ざり合った。
いつのまにか、私も交じっていた。
私は、知っていた。
黄色い花の作用は、口実だということを。