#232 美人の手が、あなたの肩に
あなたが、とびきりキレイな美人と、ささやき合っているのを見るのが、好き。
やきもちの気持ちが湧かない。
ああ、やっぱり、カッコいいなと感じる。
まるで、映画を見ているみたい。
現実なのか、スクリーンを見ているのか、わからなくなる。
あなたが、外国のキレイな美人と、歩きながら話していた。
スーパーモデルみたいな長身の美人。
身長180センチはある。
その上、20センチはあるピンヒールを、ぐらつきもせず、履きこなしている。
スタイルがいいだけでなくて、気品が漂っている。
もう、それだけで、絵になる。
話し声は、聞こえない。
あなたが、彼女の耳元に、何かささやいた。
(…………)
聞こえない。
気になる。
やきもちじゃない。
彼女が、うれしそうに、にっこり微笑んだ。
彼女が、あなたの肩に、長い腕を回した。
そのしぐさが、いかにも、さりげなくて、いかにも、映画みたいだった。
普通の男の子だったら、そこでビクッとなって、首をすくめるところ。
あなたは、違う。
堂々としている。
さっと、彼女のくびれた腰に手を回し、密着した。
その間も、2人は、聞こえない会話をしている。
ずっと前から、恋人同士たったみたいに。
きっと、あなたはこう言うだろう。
「さっき、そこで、知り合ったんだよ」
そんな2人を、眺めているのが好き。