#236 まなざしだけで

あなたと一緒に、食事をするのが、好き。
一緒に食事も楽しいけど、周りの女の子の、あなたへのリアクションを、見るのも楽しい。
一緒に、イタリアンのレストランに入った。
そのお店は、2回目だった。
おいしかったので、あなたにおねだりをして、連れて行ってもらった。
ウエイトレスの女の子が、オーダーに来た。
「アイスレモンティーと……」
あなたが私の分のオーダーを言った時、
「あっ」
女の子が、声を上げた。
「前にも、来ていただけましたよね」
1か月前なのに、彼女は覚えていた。
あなたは、どこに行っても、覚えられる。
しょうがない。
あなたは、彼女を振り返った。
「あっ、覚えてる」
その言い方は、社交辞令ではなかった。
その証拠に、あなたはしばらく、彼女を見つめていた。
「名前は、なんていうの」
彼女は、名札を指さしながら、名前を教えてくれた。
「覚えたよ」
あなたは、誰にでも、優しい。
彼女の目が、ハートマークになっている。
その後、彼女は、オーダーを聞いた。
「僕は、アイスコーヒー下さい」
しばらくして、もう一度、彼女が戻ってきて聞いた。
「アイスレモンティーと、なんでしたっけ?」
ほら、また女の子を舞い上がらせてしまって。
彼女は、その後、仕事にならなくなったに違いない。



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