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#246 甘やかさないで、甘えさせてくれる

あなたの、甘やかさないところが、好き。
あなたと歩いている。
追いつかない。
あなたは、ゆったり歩いているのに、速い。
1歩のスライドが大きい。
まるで、スケート靴を履いているように、滑っていく。
羽が生えていて、飛んでいるみたい。
あなたに付いていくために、私は走らないといけない。
こんな男性は、初めて。
あなたが、速いのではないことに気づいた。
私が、遅かった。
遅くても、他の男の子は、待ってくれていた。
もしくは、男の子たちも、私と同じくらいトボトボと歩いていた。
あなたは、トボトボと歩く私を、待っていない。
ほら、こんなに舞うように歩けるよと、教えてくれてる。
それが、あなた流のエスコート。
あなたと歩いているうちに、だんだん、舞うように歩くコツをつかんできた。
あなたの羽に乗せてもらって、歩いている感じ。
周りのカップルが、まるで止まっているように見える。
足が、軽くなっていることに気づく。
あなたの歩き方のワクチンが、私の中に、入ってくる。
音楽が、流れている。
今から思うと、それまでの私は、無音の中にいた。
これが、あなたのレディー・ファースト。
これが、あなたのエスコート。
それを味わえる幸せ。
甘やかさない男性が、好き。 
甘やかさないで、甘えさせてくれる。
めったにいない。
いや、あなたしかいない。
と、あなたの羽の下で感じていた。



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