#250 少年のような、前髪に
もう1つのあなたの顔が好き。
授業の時の、あなたの先生の顔が好き。
ベッドの中の、あなたの王子の顔も好き。
何時かわからないくらいの深夜。
あなたは、私を起こさないように、腕枕の手を抜く。
起こさないように、ベッドを抜け出して、ライティング・デスクへ。
私は、眠ったまま。
ライティング・デスクのスタンドをつける。
私が、まぶしくないように、スタンドの角度を変えてくれるのが、優しい。
私は、あなたに愛された余韻で、深く深く眠っている。
ここから、あなたの勉強が始まる。
もう1つのあなたの顔になる。
あなたは、何かを思いついた。
アイデアが、あなたを目覚めさせる。
アイデアを思いついたあなたは、もう寝ていることができない。
コウモリのライトで呼びだされるバットマンのように、あなたはアイデアのミューズに呼び出される。
これから、あなたはアイデアの女神とのデートが始まる。
あなたの目が、どこか遠くを見つめている。
赤い唇が、かすかに動いて、何かをささやいている。
アイデアの女神と、会話を楽しんでいる。
授業中は、びしっとしている前髪が、目の上に垂れている。
その姿は、少年。
アイデアを思いついて、アイデアを追いかけているあなたは、少年の顔になっている。
私は、ぐっすり眠っている。
眠りながら、アイデアを追いかける少年のあなたの前髪を、夢の中でうっとり眺めている。
明け方には、また私の腕枕に、何事もなかったかのように、戻っている。





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