#199 女の子が、私に乗り移って
あなたが何回でも、愛してくれるのが、好き。
今、こんなに大きくいったのに、またしたくなる。
ふと、声がした気がした。
「あーん、私も」
と聞こえた気がした。
聞いたことがあるような声だった。
誰だか、思い出せなかった。
さっき、2人でご飯を食べている時のことを、思い出した。
お店の女の子が、みんな、あなたを見ていた。
あなたは、まったく気づいていない。
今日だけではない。
いつも。
1人やそこらではない。
すれ違う女の子、みんながあなたを見ている。
みんなが、あなたを見るのが、好き。
自慢というより、私だって、あなたとすれ違ったら、絶対見る。
見るだけじゃない。
想像する。
こんな人に一度でいいから、抱かれたい。
きっと、夢見心地に違いない。
どんなふうに、抱くのかしら。
想像している時には、もうすでに、抱かれている。
夜、ベッドの中で、思い出す。
一瞬しか見ていないのに、焼きついてしまった。
あなたに抱かれているところを、思い浮かべる。
思い浮かべながら、1人でする。
今ごろ、している女の子が、大勢いる。
そうか、わかった。
私が、いっても、いっても、したくなるのは、私がしたいんじゃない。
さっきお店にいた女の子たちが、1人でしながら、私に乗り移っているのね。
聞いたことがあるように感じた声の主は、隣にいたかわいい女の子だった。
どうぞ、私の体に乗り移って。