10月29日(月)付の文化通信の記事によりますと、これまで低迷していたコミック市場の売上が復調していると報じています。
転換点となったのは、今年6月。なぜ、この月から対前年比プラスに転じたのでしょうか。
同紙によりますと、集英社と講談社の業界大手2社による価格値上げが、その要因のひとつだということです。集英社は、6月に少女コミック、7月に青年コミック、そして8月にはジャンプコミックスを値上げしています。講談社は、集英社に先駆けて、3月に、小学館は8月に価格を上げを行っています。
本来なら、価格値上げは売上冊数の減少がみられやすいのですが、4月に海賊版サイト「漫画村」が閉鎖したことや、6月はアニメ・ドラマの新クールを迎える直前の月にあたることからそれらの原作を買う客数が増えたとみられ、冊数の落ち込みはみられずに売上増加に寄与しました。
この状況をジャンル別にみたのが、下図になります。
※「ほんのひきだし」より引用
これまで、コミック市場縮小は人口減少などによる構造的要因が大きな一因だと思われていました。
これが一過性なただ偶発的な事象となるのかいなかは、各社の販売戦略にかかっているでしょう。
参考 : 『文化通信』(2018年10月29日)
コミックの定価アップは売上に影響を与えたか? “価格改定”を通して考える出版業界の課題
http://hon-hikidashi.jp/more/65832/