インプレス総研は、先月27日に2016年度(期間 : 16/4/1~17/3/31)の電子書籍市場動向について発表を行った。
発表によると、電子書籍市場(電子雑誌含む)は対前年比で24.7%増加、2278億円にまで市場規模を拡大している。
その中でも、電子コミックに関しては1671億円(72%)で対前年比で26.6%増加と、顕著な動きを示している。ほか、文字コンテンツ(書籍など)は、359億円(15%)で16.5%増。一方、電子雑誌は302億円(13%)、増加率は電子コミックに匹敵する24.8%と伸長している。
電子雑誌に関しては、『BRUTUS』の電子化や『yom yom』(祥伝社)など大手出版社から中小規模の出版社まで電子化の波が押し寄せている。また、『dマガジン』など雑誌読み放題アプリの認知度も向上したことにより利用者数の母数が大きくなったことも要因だ。
また、同発表によると、2021年度には市場規模が3120億円、電子出版市場全体では3560億円にまで伸長するようだ。
利用している無料コミックアプリでは、『comico』(コミコ)が全体の約4分の1にあたる24%、次いで『LINEマンガ』、『少年ジャンプ+』がそれぞれ20.0%、13.7%利用している。広告市場に関しては78億円だという。
近年では、出版社だけでなく、不動産会社や飲食店業界など自社コンテンツを電子書籍と組み合わせる動きが拡がっている。
今後、どのような新たな動きが起きるのか。利用者数が増えているだけに各社、読者の取り合いが必至だろう。