石川県の能登半島各地の祭りで担がれる巨大な灯籠「キリコ」は、過疎化の影響で近年、徐々に数を減らしている。「故郷に伝わる伝統を後世にも残したい」。半島の先端にある珠洲市のフリーカメラマンらが、組み立て方や見どころを記録した電子書籍「キリコ図鑑」の制作を始めた。
キリコは毎年7~9月、100カ所以上の集落の祭りで登場する。木造で長方形に組まれており、四方に和紙が張られ、文字や絵も描かれる。高さ15メートルを超えるものもあり、能登の夏を力強く彩る。装飾品などが集落ごとに異なるのも特徴。
これまでにも祭り全体を紹介する本は多数あったが、図鑑の主役はあくまでキリコ。サイズや歴史、組み立て方の説明のほか、作った人のインタビューも掲載する。
最終的には現役として使われている約400基を紹介し全千ページほどの本となる見込みだが、全て完成するまでに7~8年程かかるという。
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