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RDG レッドデータガール

荻原 規子のRDG レッドデータガール(電子書籍)

RDG レッドデータガール【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
荻原 規子(著)岸田メル(イラスト) 298ページ ★★★★

幅広い層に支持を得たアニメ原作

『RDG レッドデータガール』は大人も子供も楽しめるがコンセプトの角川銀のさじシリーズで刊行されただけあって、その対象年齢は幅広いです。

身近な電子機器を壊してしまう特異体質のヒロイン泉水子は、その体質のせいもあってか友達と呼べる存在の少ない大人しい女の子ですが、実は「姫神」と呼ばれる存在が憑依する女性の家系で、彼女たちを守ることを使命とする山伏の家系の幼馴染・深行と再会する中学3年から物語は始まります。

この物語の面白さは、読む人によって様々な楽しみ方ができるところです。たとえば大人し過ぎるヒロインにイライラさせられる幼馴染の様子とか、ヒロインと幼馴染が徐々に近づいていく過程とか、ルームメイトの友達との交流などを見るのが楽しいと思う人もいるでしょう。また、山伏の術や戸隠忍術(?)、陰陽術という異種間オカルトバトルに胸を躍らせる人もいるでしょう。「姫神」という謎の存在がどういうものなのか、徐々に明かされていくその真実にわくわくする人もいるでしょう。こういったいくつもの楽しみ方ができるところが、その対象年齢の幅広さに繋がっているのではないでしょうか。ただし、ただのハチャメチャな物語かといえばそうではなく作者の山岳信仰の洞察の鋭さや神仏習合に対する見解などみてとれます。

2013年7月のアニメ化を機に、これまで刊行されていなかった角川スニーカー文庫でもRDG レッドデータガールが刊行されました。ストーリに変更はないものの、ライトノベル読者やゲームプレイヤーにとって馴染みのある岸田メルがイラストを描きおろしているので、中高生は一層手が届きやすくなった作品です。



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