著者の和田秀樹氏は、本書の冒頭で日本社会の問題点を指摘している。ひとつは遅くまで会社に残って残業することが社会人としての評価に繋がる「会社人間」的発想。もうひとつは、絶対に落ち度なく仕事を完結させなければならないという「完全主義」だ。
和田氏はこの2点が日本社会に「のろま」――つまり行動が遅く、決断力のない人間を蔓延らせてきた原因だと分析し、効率とスピードが求められる現代の国際社会を生き抜くために必要な「のろま」克服法を紹介している。
和田氏の専門分野である精神医学の知識を活かし、頭の回転が遅い人、完全主義を捨てられない人、計画倒れしがちな人など、タイプ別の対策が具体的に記述されているほか、「のろま」を脱するための時間管理術や能率を上げる勉強法、決断力をアップさせるコツなど、ビジネスパーソンにとってためになる情報が満載。
読んでいるうちに仕事へのモチベーションが湧いてくる1冊。何事も行動を始めるまでに時間が掛かってしまう人や、仕事の効率が悪いと感じている人はぜひ読んでほしい。