アーティスト東京女子流(@TokyoGirlsStyle)をモチーフに描かれている著書です。東京女子流というモデルを基に、10代前半のアイドルが”夢”を追う姿を描いています。アイドルとしてだけでなく、個人個人に焦点を当てそれぞれの主人公の背景に沿った形で展開されています。物語性はないですが、それぞれの人物のストーリーを描いており、漫画でありながらも東京女子流やアイドルシーンと重なる部分も多く興味深い内容です。
アイドルとしての私は?アイドルを辞めた後の私の人生は?アイドルというある意味寿命のあるエンターテインメントに生きる彼女らを凝縮した一冊になっています。
本作は絵のコマが多く、セリフが少ないのが特徴です。タイトルの「5つ数えれば君の夢」ですが、”5つ”というのは東京女子流のメンバーのことです。”君”というのは、東京女子流や原作で描かれている、Five Starsのファンのことを指すと考えられます。そして、最後の”夢”ですが、メンバー個々人の”夢”、グループとしての”夢”だけでなく、”君”に対する”夢”の解釈があると思います。この3つの”夢”を本作では描かれている。
例えば、アヤノの場合は”夢”は完璧なものとして捉えています。個人としては、歌やダンスの技術的向上、グループとしての”夢”は大きなステージに立つこと、君に対する夢は、名声を得てスターになり、売れている姿を見せたいこと。
「私たちは誰かの夢だから 絶対に完璧じゃなきゃいけない そんな夢はあってはならない(原作P.9~P.10)」とまでに、完璧主義者ともいえるくらいはっきり主張しています。
最近では、身近な存在になったアイドルですが、彼女らがステージの裏ではどう演じているのか。アイドルに興味がない方にも興味深い内容になっています。
さらに今作は映画化もされています。メインキャストは原作のモデルとなった、東京女子流の皆さんが初主演を務めます。映画と原作では少し異なるストーリー展開ですが、5人それぞれを異なるシーンで描き、徐々に交わっていく作品になっています。
アイドルに関する書籍ですが、絵のコマが多く一巻完結ですので読みやすいです。また、映画に関しては山戸結希監督が指揮をとっており見応えのある作品です。
(文:編集部O)