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また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた

また、同じ夢を見ていた

著者 ページ数 クチコミ評判
住野よる 264ページ ★★★★☆

『君の膵臓をたべたい』で衝撃的なデビューを飾った、住野よるさん待望の2作目となる本作。
デビュー作同様に相容れない男女の考え方の違いや根底にある”幸せ”という答えの無い問いが基となりストーリーは展開していく。ファンの間では、デビュー作よりも本作のほうが好きである、実写化を待ち望む声が多数寄せられている人気作である。
本作は、タイトルが指し示すとおり夢の回想録を書き表したものであり、いつも見る夢の内容がテーマとなっている。そして、前作同様に世界的名著であるサン=デグジュペリ『星の王子さま』が本作で登場するので、見逃せないポイントである。

ある日、主人公小柳奈乃花は担任の先生から、”幸せ”の授業を行うことを聞く。”幸せ”とは、何なのか。その考え方のヒントを得る為に、ある大人に会いに尻尾のちぎれた猫の友達と行動を伴にする。
奈乃花は放課後には必ず、季節を売る仕事をしている”アバズレさん”、大きな木造の家に住んでいる”おばあちゃん”の二人の家に訪れて学校では学ぶことはできない多くを学んでいる。
そんな日常を送るなかで、ある日”南さん”という女子高生と出会う。南さんは自傷行為を日常的に繰り返していながらも、物語を書いている不思議な少女。小学生の奈乃花にとっては、この3人と放課後に触れ合うことが何よりの楽しみであった……。

授業で”幸せ”について考えるときには、隣の席の人と考える時間を与えられる。隣の席の桐生くんは、小心者で気の弱い男の子であり、奈乃花とは対照的なクラスメイト。話し合う時間においても、あまり自分自身を露にすることはなく、唯一の趣味という、絵を描くことに対しても好きではあるが、幸せではない。と言い張る。”幸せ”について考えることに苦闘する奈乃花は、自分自身の答えをより追い求める。

ある夏の暑い日いつものように、”アバズレさん”の家を訪ね、”幸せ”を追い求めていた奈乃花の目には衝撃的な出来事が映る……。

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