» page top
asahinagu

あさひなぐ

あさひなぐ

著者 ページ数 クチコミ評判
こざき亜衣 216ページ ★★★★☆

昨今、漫画が原作となる舞台や映画が増えている。
そして、2017年に舞台と映画が公開される作品が、こざき亜衣作の「あさひなぐ」である。
今回は舞台と映画の同時企画で、キャスト陣を日本を代表するアイドルグループの乃木坂46のメンバーが務め、主人公の東島旭(とうじま・あさひ)を舞台版では齋藤飛鳥が、映画版では西野七瀬が務める。
本作品は2014年度に小学館漫画賞(一般向け部門)を受賞しており、本賞を受賞した過去多くの作品が映像化され大ヒットしているので、今回も目が離せない。

本作品は、スポーツ作品では異色の武道「薙刀」をテーマにした作品で、高校入学をキッカケに変わろうとする主人公・旭が薙刀に挑戦していくストーリーである。
中学まで美術部だった旭は、高校では気が弱く、バカ正直で、何も主張できない性格を変えるため、運動部に入ろうと考えていた。
部活動紹介の中で「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる」といううたい文句に感激し、薙刀部に入部する。
宮路真春(みやじ・まはる)を筆頭とした薙刀部の先輩達や同じ一年生で剣道経験者の八十村将子(やそむら・しょうこ)と長身が悩みの紺野さくら(こんの・さくら)と共に成長していく。
弱かった彼女はどうやって、自分の目標である「強い女」に成長していくのか?

薙刀というマイナー競技に飛び抜けた派手さも無いが、そのぶん全くの素人で運動音痴の旭が成長していく過程が見て取れる。
またサブキャラクターの先輩や同期の一人一人の個性が際立っており、そのかけ合いは慣れてくるとたまらない。
旭だけでなくサブキャラクターの彼女達にもスポットを当て人物描写と織り成す物語に深みと説得力を与える事を可能としている。
一時的なコーチでもある尼寺の住職の寿慶(じゅけい)という常にサングラスかけてる尼さんが登場するなど、インパクトが凄いキャラクターが多数出てくる。

「あさひなぐ」は薙刀というマイナースポーツでルールが分からないこともあるが、きちんと一つ一つのルールを説明してくれており、薙刀の試合運びや練習の意味などもよくわかる作品となっている。
この作品でひたむきに頑張る旭をずっと見ていると、物事に一所懸命に取り組む重要性を再認識させてくれる。
現在、コミックで22巻まで発売されており、1回読み始めると止まらなくなること間違いなしの作品だ!

(文:編集部S)



書評を投稿する

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。