ここ数年一大ムーブメントとなっている『グルメ漫画』。さらにここ最近、舞台も食材も架空の世界のものを題材とした『ファンタジーグルメ漫画』なるジャンルの作品が徐々に注目を集めています。
そんな『ファンタジーグルメ漫画』新たな一作が加わりました。それが今回紹介する『空挺ドラゴンズ』です。
主人公は、天空を泳ぐ龍(おろち)と呼ばれる巨大生物を追う捕龍船のメンバー。
帰るべき港はなく、龍を追って西へ東へ、南へ北へ。捕らえた龍を解体し、それを売って旅をしています。
グルメ漫画の基本として、思わずよだれが出てしまう龍料理も見どころではあるのですが、魅力はそれだけではありません。
本作には、スライムやオークなど龍以外の対象は出てきません。それだけに、食べる対象として以上の『龍』と『人』との関係性が描かれています。
殺された龍は「肉」「油」「骨」「筋」「内臓」に至るまですべてを、食料、燃料、各種の素材、工芸品、薬などの材料として活かされます。
生きるために殺すのです。
「食うまでは死ぬわけにはいかないんだよ」「捕って」「解体して」「食う」「それが龍取りだ」と語る主人公・ミカ。
他の生き物を殺して食べる。食に通ずる永遠のテーマが本作品の主題なのではないでしょうか。
食べることそのものを描いた究極のグルメ漫画『空挺ドラゴンズ』。オススメです。
(文:編集部T)