「暗号」と聞いて筆者が思い描くのは、シャーロック・ホームズの『踊る人形』や、名探偵コナンの『月と星と太陽の秘密』などのミステリ作品です。どれも「暗号」というエッセンスがミステリアスさを際立たせ、作品の面白さをより一層深いものとしています。
表紙に「暗号」とう文字が並ぶだけでついつい食指が動いてしまうという暗号好きにぜひ読んで頂きたい作品が、本書『暗号解読』です。
フィクションの世界では度々お目にかかる「暗号」ですが、発展を続ける現代社会の中でも欠かせないものとなっています。主にコンピューターや、クレジットカードなど情報保護のために使用されていて、実はなくてはならないものなのです。
暗号発展の最たる要因としては軍事開発が大きいのでしょう。近代の戦争、果ては古代エジプトのヒエログリフにいたるまで、その歴史を刻んできた「暗号」。
『暗号解読』は、様々な情報を守るために進化し続けてきた「暗号」をテーマに、『フェルマーの最終定理』で有名なサイモン・シンが描いた作品です。
これまでの暗号の歴史、変遷と時代を追って説明されており、暗号を創るもの、暗号を解読するもの両者の終わりなき戦いの日々を様々なエピソードをもって紹介しています。専門的で高度な話がテーマとなりますが、丁寧でわかりやすい説明、先が気になるストーリーテリングのおかげで素人でもぐいぐいと読み進めていくことが出来ます。
下巻の最後にはサイモン・シンが出題した「史上最強の暗号」10問が添えられています。(発行当時はなんと1万ポンドもの懸賞金がかけられていたとか!)
本書を読了された方、ぜひ挑戦してみてください。(筆者は3問目で匙を投げました(笑))
(文:編集部T)
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