そのヤクザ、料理上手につき。
大学4年生、一人暮らし。特に何か取り柄があるわけでも、学歴で生きていけるほどでもないイマドキの若者、若水良太。しかし卒業が迫り就職活動が切羽詰まってくる。まだ俺はいける、という無駄なプライドや現実を直視できずに失敗ばかりの日々。
そんなある日の夜、ヤクザ同士の抗争らしきものに巻き込まれ、危ないところを当事者の男に救われる。その恩を一方的にきせられ、ヤクザ柳刃竜一をかくまうことになってしまった。
柳刃は綺麗好き・料理上手・社会経験豊富という、ヤクザであることを除けば高スペックな人間だった。奇妙な同居生活は果たしていつ結末を迎えるのか。
もう二度と会えない侠(おとこ)に変えてもらった人生を、これからも良太は歩んでいく。
<みんなの感想>
◆わたしにもゴハンつくって♡
疲れて家に帰ったら、渋いオジサマが美味しいゴハン作って待っててくれる小説!(多分ちょっと違うww) 食べながらそのゴハンの解説もしてくれちゃう。しかも食費と調理器具はオジサマ持ち!最高でしょ?
いっこだけ、気になっちゃったのは大学生の友達同士の会話の文章かなぁ。確かに就活の話とかこーいうことは話すんだけど、作家さんが50歳超えてるからなのか、言葉の使い方にわたしは違和感感じちゃいました。
ドラマとはまた違った雰囲気と内容で話が進んでいくから、両方見ても楽しめます!
◆紛うことなきグルメ本
この小説はヤクザ、友情、就活中の若者の成長と言った要素が盛り込まれているが、間違いなくグルメ本である。その証拠に読むと腹が減る。なお、分量までは書かれていない。
当方ヤクザと関わることのない人生を送っている故、柳刃の様々な経験は眉唾ものであったが興味深かった(決して経験したい、という意味ではない)。
通勤電車の中で読み始めてしまったため、食欲をごまかすのに苦労したが、料理に挑戦してみたくなる一冊であった。