映画とタイアップした新海誠の小説!文字にすることで見えてくる二人の景色がある。
それぞれの自室で目覚める二人の男女。お互いに夢から覚めてもずっと誰かを、何かを探してもどかしい思いを持ち続けている。それが始まり、ムスビが終わったのはティアマト彗星が地球に最も接近したあの日から。
自然豊かな糸森町に住む三葉と東京暮らしの高校生の瀧はあるときからお互いが入れ替わっていることに気づく。最初は困惑しながらも徐々にお互いの生活を壊さないルールを決め順調な日々を過ごしていたが、ある日それは突然の幕切れを迎えた。
納得できない瀧は三葉を探しに出かけ、そこで思ってもみなかった事実を知る。過去は変えられるのか、運命は存在するのか。
新海誠の最高傑作。
<みんなの感想>
◆先に先に、クリックが止まらない
これからどうなるのか、二人は何者なのか、この世界はどうなっているのか、知りたくてたまらなくて一気読みしました。文章は短めで簡単だから映像がこう、パーッと浮かんでくる感じでした。場面が切り替わる感じが気持ちよかったですね。
三葉と瀧の、思い出したいのに忘れていく悔しさがすっごい伝わってくる感じで。確かに夢って目が覚めたら忘れてるからその通りだなって納得しました。
欲を言えば再会してからの二人のいちゃいちゃを見たかったです。恋愛ものを見たい人ってそういうのも見たいと思うんですけど、この話はここで終わるからいいんだろうなとも思いました。
主人公の三葉ちゃんかなりタイプで、新海さんとは仲良くなれる感じがしました。
◆映画を見てから読むことをお勧めします。
あとがきを読むに、映画が完成する前にこちらが出版されたようです。映画を見てから一週間後くらいにこの本を購入して読みましたが、文章で読まないと分からないような情報が書いてあったりして楽しめました。(あの時飲んでたの、甘い麦茶だったんだ…とか。)小説と言うかシナリオですね。正直、これだけを読むのは勿体ないと思う。「君の名は。」は新海誠の今までの作品を全てまとめ上げて最高傑作まで持って行ったもので、映画の音楽と美しい映像と、それとこの話全てで完成するものだと思います。
さりげなく日本の就活の場面や、田舎の風景の美しさ、伝統芸能を描写しているのも良いと感じた作品だった。