レトロな始まりを迎えた少年少女の淡い恋模様を描く、スタジオジブリ作品の原作。
1989年に少女漫画雑誌にて連載された、柊あおいの漫画作品。
頻繁に図書館で本を借りる少女、中学1年生の月島 雫は借りた日や名前を記録する本の貸出カードに『天沢聖司』という名を見つける。気づくと、自分が借りているほとんどの本に彼の名前があるのだった。見知らぬ彼はどんな人だろうと想像をふくらませる雫。
きっかけはある日、電車の中で出会った猫にだった。気まぐれから猫についていき、地球屋というお店を訪れる。そこには天沢聖司につながるような出来事があって………。
雫の周りの人々が優しい描写で描かれる。現代ではありえないからこそ、懐かしさと羨望が入り混じる作品に仕上がっている。
<みんなの感想>
◆映画とは設定が少し違う。
雫の年齢や聖司の夢、お姉さんの性格など、少しずつ設定が異なる部分があった。とはいえ大事なポイントや、著者である柊あおいさんが描きたかったであろう部分は全て、映画も原作も統一されていた。
雫の中学生らしくてすれていない感じや、少々意地悪な聖司はいかにも少女漫画らしいと思う。登場人物に嫌な人間はおらず、気構えずに読める。
映画でも、原作でもどちらを先に見ても楽しめると思う。ジブリの目に留まるだけある漫画だ。
◆もう26年もたちましたか。
当時リボンに連載されていたこの作品を毎月楽しみにしていた少女時代がよみがえった。言いたくはないが、年取ったな自分…。こんな時代もあったわよねうふふーという気持ちだ。読み返すと、記憶に残っているよりもなんというか、良い意味で古い感じ。
図書カードはもう個人情報保護法の観点からないし、服装とか、今の中学生はもっと進んでるぞとか、おばちゃん色々考えてしまいました。若い人にもある意味新鮮な作品かも。当時の日本がうまく描写されているから、何かの参考にはなるかな。