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akaheru

赤ヘル1975【電子書籍】

赤ヘル1975【電子書籍】

著者 ページ数 クチコミ評判
重松清 640ページ ★★★★★

広島緒方現監督も読破済みの、広島優勝のルーツを描く一冊。

1975年、終戦から30年が経過したある日、東京から父子の家族が引っ越してきた。少年の名はマナブ。父親は良く言えばまっすぐ、普通に見れば馬鹿を体現したような人間。怪しい商売を続けているために一つの街には長くいられず、マナブは「転校のプロ」になっていた。今回も長くいられないとわかっていながらも、ヤスやユキオと友情を深め、広島の成り立ちについて勉強し、人間関係に踏み込んでいく。
広島カープが開幕十試合を終えてから、優勝パレードが終わるまで、確かにマナブは広島にいた。 戦争と、友情と、広島カープの初優勝と。交わりそうにもないこれら3つが邂逅したとき、確かに奇跡だって起きるのだ。
自身も広島カープファンである重松清が、2013年に出版したカープファンの必読書。

 

<みんなの感想>

◆風の又三郎を彷彿とさせる作品

急にあらわれて、そしてまた突然いなくなってしまう。マナブは主人公だったはずなのに、多くの思い出があったはずなのに、薄れていってしまう。
僕は宮沢 賢治の風の又三郎を思い出しました。この本はきっと読み方が複数あって、だからこそ多くの方から共感されるのだろうと思います。
一つは広島出身の人、二つは広島カープファンの人、三つは戦争に関わってしまった人、最後に子供のころを覚えている人。どれか一つでも当てはまる方は読んでください。
名作です。

 

◆広島のことわかってくれてる小説!

広島で生きている人間の本質というか性質を良くついてる!と思いました。
方言も、小説にありがちの方言風、ではなくって、実際に再生ができるくらいリアルで懐かしく思い出しました。
今では代名詞の赤ヘルだって、戦争30年がたったばかりの日本では女性的な色と判断されていたことに驚きです。
国旗も赤が入るのに。広島カープが優勝を決めた今、この本が読めて本当に良かった。



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