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SCRAP三太夫

ゆでたまごのSCRAP三太夫(電子コミック)

SCRAP三太夫  【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
ゆでたまご 220ページ ★★☆

これを読まざれば、キン肉マンファンとは騙りなり

SCRAP三太夫(スクラップさんだゆう)』は、『ゆでたまご』の作品で、彼らの作品の中であまり日の目を見なかったギャグ漫画です。1989年に『週刊少年ジャンプ』で連載され単行本2巻(全17話+読み切り2話収録)が刊行され2014年に電子書籍化されました。

本作は、20xx年ロボット警察が治安維持活動の現場で重要な役割を果たしている世界が舞台です。現場からのロボット刑事の需要が多く生産が間に合わないほどです。その為工場では材料不足に悩まされましたが、無理をしてでも警察に納品するため最後の1体がガラクタから作られてしまいました。それが本作の主人公「三太夫」です。

基本的にはダメ刑事の主人公三太夫ですが、正義に奮え立った時類まれなる柔術の才能を発揮し凶悪犯を倒します。これには秘密があります。三太夫の頭の部分に使われた素材は、明治時代敵なしの柔術家『姿サンタロー』が敵を破った際に、浴びた返り血を洗うために使用されたバケツでした。このバケツの不思議な力により無敵の柔術の強さを発揮するのです。

この作品は『ゆでたまご』がギャグ漫画に再度挑戦したく始めたと言われています。確かに子供ウケを狙い「下(しも)」のくだらないギャグが多いです。例えば同僚のロボット刑事が正確な狙いで銃を扱いますが、三太夫はお尻から糞を飛ばして攻撃するといった具合です。ここで残念なところは、ゆでたまごの画力がキン肉マンの悪魔超人編などと比べて格段に上がっており、糞の描写が上手になりすぎていて笑いを取るというよりも、かなり不快な感じで描写されてしまっていることです。

今回、本作『SCRAP三太夫』を紹介したのは、ゆでたまごのマニアックな作品を紹介したいというだけではありません。氏の手掛けた伝説的漫画『キン肉マン』の関連作となっているからです。連載時になかなかアンケートの結果が良くなかったようですが、最後の2話にロボット刑事としてロボ超人『ウォーズマン』を登場させました。この2話はなかなかの人気を博したようです。概要としてはキン肉マンが獲得した超人チャンピオンベルトが博物館から盗まれその犯人を追うといった内容です。

最後は主人公の必殺技「二本背負い」でウォーズマンを強盗犯に投げ威力がました「スクリュードライバー」で打倒するといったフィナーレとなっておりファンには感涙物です。

個人的にはリアルタイムで連載時にも見ており再度読んでみたいと思っていた作品ですので、願いがかない嬉しいのですが思い出補正を抜きにしても、短期打ち切りになるような作品ではないのではと改めて思いました。しかし、それほどまでに当時のジャンプのレベルが高かったのかもしれません。

但し糞で攻撃するのは描写がややリアルでやっぱり不快ではあります。



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