美しく妖しきCLAMP作品
2003年~2011年まで週刊ヤングマガジンや別冊少年マガジンで連載され、TVアニメ化もされたCLAMPの人気作品です。また「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」や「BLOOD-C」といった人気作品ともリンクしている作品でファンはどれも見逃せません。
×××HOLiCの見どころは登場人物たちの面白おかしい日常のなかに潜む、少しホラーめいた怖さです。主人公の四月一日(ワタヌキ)君尋は、壱原侑子が店主をしている願いが叶う店で働くことになります。願いが叶う店らしくそこを訪れる客は皆、それが人間であっても、或いはアヤカシをはじめとする人間ではないものたちであっても、様々な願いの成就を求めてやってきます。しかし、願いを叶えるためには対価が必要です。それは普通のお店のように、お金で交換ということではありません。客人の願いによって対価も様々です。
願いを叶えるための対価は、願うことの大きさに応じて重くなります。大変な願いを叶えるためには、大切なものを対価にしなければいけない。逆に言えば、どんなに悪いとされることでも相応の対価を払えば叶ってしまうのが、このお店の特徴でもあります。客人の中には、そういた良くない人間も少なくないのです。
ただし、そういった客人たちは、その対価に押しつぶされてしまうような、悲惨な結末を迎えます。怖さはその願いにもよりますが、侑子は願うなとは決して言わないことです。あくまで願うのは客がしたこと、客自身が責任を取らなければならないことという態度をとります。やめろとは言わない。けれども願うからには代償を覚悟の上で行わなければいけない。シビアで怖く、それでいて教訓のような印象も受けます。