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第五章 自分そっくりな石像と心を通わせて正拳突き覚えるような感覚

勇者ヤマグチクエストのはじめての冒険譚

第五章 自分そっくりな石像と心を通わせて正拳突き覚えるような感覚

2017年9月27日

全5回というお約束の下で書かせていただいていた本コラムも、いよいよ第5回目となってしまいました。
これでもう終わってしまうのかと思うと56億個くらいの感情が渦巻いてしまって、小田和正くらい言葉にできませんが、強いて何か1つ挙げるとするならば「寂しい」です。
寂しいとか言う割に、「コラム書かなきゃあ」などとのたまいながらしかめっ面しているので、なんだか人間の業は深いなあと思いました。どういう意味かはよくわかりません。
改めまして、どうもヤマグチクエストという芸名をつけた張本人です。

文章を書くお仕事というものへの憧れが、それはもうべらぼうにと言いますか、めちゃんこと言いますか、いわゆるハイパーたくさんありまして、その憧れの記念すべき一歩目のチャンスを下さった電子書籍ランキング.comさんには本当にハイパー感謝しています。
それを「内容」という形ではあまり還元できていませんが、僕は禁術「ソンナモンシランガナ」を唱え続けるなどすることで現実から目を背け、読者のみなさん並びに電子書籍ランキング.comさんに「やむなし」と許されてきましたが、とにかく楽しかったです。

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スーパーファミコン版『ドラクエⅥ 幻の大地』のパッケージ
(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

そんな第5回を締めくくるドラクエシリーズ紹介のタイトルは、『ドラクエⅥ  幻の大地』でございます。
ドラクエⅥでは同じ名前の全く違う街や城が出てきます。どちらが現実でどちらが夢なのか、はたまたどちらも夢、もしくは現実なのか。様々な謎が冒険の中でプレイヤーにふりかかってきます。
初めてプレイしたときの僕はまだ小学生だったので、ストーリーを理解することが追いつかなくて、姉に何度も質問をしては「姉ちゃんも分からん!寝ろ!」などという途方もない罵詈雑言を浴びせられていましたが、それだけ細やかな伏線やらが散りばめられているのです。
中でも僕が一番印象に残っているのが、伝説の鍛冶職人コブレを見つけたシーンで、詳細を書きすぎると「ネタバレスンナ」の魔法で僕が全焼する可能性があるので控えますが、小学生の僕でも胸にぐっとくるものがありました。
パーティキャラクターも個性豊かで、転職システムによりそれぞれの長所を伸ばしたり短所を補ったりできるようになったことでより戦術の幅が広がり、レベルが上がることだけではない確かな実力がついていく様は、ストーリーを進めることより自分磨きに没頭してしまう本末転倒な悲哀すら感じさせるほどです。

FireShot Capture 48 - ストーリー&キャラクター I ドラゴンクエストVI for_ - http___www.jp.square-enix.com_dqsp_dq6_story_
『ドラクエⅥ』のバーバラ
(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO

そして何よりこの物語はバーバラという女の子の謎が、ゲームの奥行きを深めています。
可愛いのとお転婆なのはさておいて、まず記憶喪失だわ、通常の人(主人公たちは特異)には見えないわで登場し、終盤で正体が明かされたときにも、小学生の僕には鬼ちんぷんかんぷんでよくわからないままでした。他のキャラクターと違い、ルイーダの酒場という仲間を預けることが出来るシステムにも適用されず、その理由を特別明かされません。
なんだか的を得ない説明でよくわからんなあと、顎鬚をぽりぽり掻いていることと思いますが、それでもプレイしてエンディングまでたどり着けば、みんなたちまち「バーバラァ!!!」などと絶叫しながら彼女を愛しく想うようになるはずです。僕個人としては、全ドラゴンクエストシリーズ中で一番好きな女性キャラクターであるので、よければ画像検索などして「やっぱ鳥山明ってすげえわ」となるなどしていただけたらなと思います。

 

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『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー (著)、 羽田 詩津子 (訳)(早川書房)

「謎の美少女」というわけではないですが、みなさんは「ミステリー界の女王」の存在をご存知でしょうか。そうです、アガサ・クリスティです。ケン・シムラの伝説のコントキャラクターのようになってしまいました。
僕が一番好きなクリスティの作品は、あの有名なトリックでお馴染み『アクロイド殺し』でございます。
海外作家の翻訳小説というのが苦手な方も多いと思います。人物名が覚えづらい、表現が遠回りで伝わりづらい、街の情景があまり浮ばない、などなど、確かに僕も感じることはソフトバンクがオリックスに勝つくらいの確率であります。
そんな僕でも読みやすく、読後にもう一度読みたくなりました。
発表されたのが1926年、約90年も前に書かれた小説であるにも関わらず、今もこうして「名トリック」として語り継がれ、かつこれだけ多くの天才たちがミステリーというものを創り続けてきた現代でも十二分に通用するその物語と緻密な筆さばき。海外作家が苦手だと敬遠してきた方にも、これだけは是非読んでいただきたいです。

最後まで不慣れなままで終わってしまって不甲斐ないやら何やらで少し混乱していますが、今の気持ちを一言でいうなれば「マジ最悪」です。ぜひ参考にするように。
1ヶ月、全5回のエントリーでしたが一文字でも読んでくださった方々、本当にありがとうございました。紹介した書籍やドラクエに少しでも興味などを持っていただけたら「マジ最高」です。
またこのような機会を頂けるようなタレントになれるよう明日からもハイパー頑張ろうと思います。
今感じている、何かをきっかけに少しステップアップした感覚をドラクエⅥに関連した形でタイトルにします。最後までタイトルは長かったですね。

それではまた、文章を通してお会いしましょう。

 

■今回ご紹介いただいた書籍

419jIOHltcL『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー (著)、 羽田 詩津子 (訳)(早川書房)
名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。
シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。
しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。
ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。

 

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